財務諸表監査とJ-SOXにおける内部統制
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- 2026.01.16更新
財務諸表監査とは、企業が作成した財務諸表に「重要な虚偽表示が含まれていないか」を監査法人等の第三者が検証し、その結果を意見として表明する制度です。
虚偽表示には、不正によるものと誤謬によるものが含まれます。
監査法人は、企業の内部統制を理解し、その有効性を評価しながら、「どの程度の監査手続が必要か」を判断します。内部統制が適切に機能していれば、実証的手続を一部削減でき、逆に機能が不十分であれば実証的手続を拡大する必要があります。
つまり、財務諸表監査における内部統制評価は“監査を効率的・効果的に実施するための手段として用いられます。
JSOXは、企業の財務報告に係る内部統制の整備・運用状況を経営者が自ら評価し、内部統制報告書として公表することを求める制度です。
日本では「インダイレクト・レポーティング」と呼ばれる方式が採用されており、監査法人等は企業(経営者)が作成した内部統制報告書に対して、その内容が適正かどうかを検証し、意見表明する立場にあります。
内部統制を整備し、その有効性を評価する主体は会社です。監査法人は、会社の評価プロセスや結論に対して保証業務を行います。
この点で、JSOXにおける内部統制評価は制度自体の目的そのものとして位置づけられています。
財務諸表監査とJSOXの最も大きな違いは、内部統制評価が果たす目的にあります。
| 項目 | 財務諸表監査 | JSOX |
|---|---|---|
| 内部統制評価の目的 | 虚偽表示リスクを評価し、監査手続の範囲・性質・タイミングを決定する「手段」 | 財務報告に係る内部統制が有効かどうかを示す「目的」そのもの |
| 誰のための評価か | 監査法人自身の監査判断のため | 経営者が制度上求められる報告を行うため |
| 評価主体 | 監査法人等 | 会社(経営者) |
| 監査法人の役割 | 評価を踏まえ監査の効率化・有効化を図る | 経営者報告の妥当性を検証し意見表明する |
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